英国の自閉症の先駆的研究者の一人であるローナ・ウィングは、自閉症の人が示す臨床症状を3つに分けて説明しました。孤立型、受動型、積極奇異型の3種類です。孤立型は、人の目や人と一緒にいることを避けたり、人が近くにいることを意に介さず、まるで別の世界にいるような人です。受動型の人は、人と一緒にいることは特に避けませんし、ニコニコして指示に従ったり集団と一緒に動いたりはできます。積極奇異型の人は読んで字のごとく、積極的に人に近寄って来て関わろうとしますが、頭の匂いを嗅ぐとか、興味のあることを一方的に質問するなどちょっと変わった関わり方をします。孤立型の人は、本人の自由にさせて置く限りは、大人しく穏やかですが、無理やり指示に従わせようとすると癇癪を起したりします。受動型の人も、指示に従って扱いやすいように思うのですが、あまりに言語指示が多かったり、本人の意に沿わないことがあると癇癪やパニックになることがあります。これまで、典型的な自閉症と考えられてきたのは、孤立型や受動型の人ですが、積極奇異型の人は人とかかわろうとするので自閉症でないと考える人も多かったのです。
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用語集